「ヒバリ!コレおかしくねぇ?」

顔を上げるようにして結んだネクタイの具合を僕に聞く隼人。

「大丈夫。よく似合ってるよ」

僕がそう言ってあげると、ほっと小さく安堵の息を零す。
そんな彼の、服を着る時に乱れてしまったらしい髪の毛を整えてあげた。

いつも身に付けるものには彼独特の拘りがある。
その格好もとても良く似合っていて…まぁ制服の時までそれを反映させるのはどうかと思うが…。
僕は普段の彼の格好ももちろん大好きなんだけど、今日みたいに少しカッチリした格好も良いな。
キュと締まった襟元を早速解いてしまいたくなる。なんて言ったら彼はどんな反応をするだろう?

まぁ、反応は想像に易い。
出掛ける時間が差し迫っているので、さっき思った事は今日の用事が終わってから。

「よし!準備出来たぜ。ヒバリは?」
「僕も出来てるよ」

お互い身支度を整えて、家を出る。
少し肌寒くなってきたけど、天気は良いし絶好のお出掛け日和。
一年で一番過ごし易くて好きな季節。

でも君と一緒ならいつでも一番。


まずは買い物。

二人であれでもないこれでもないと、意見を交わしながら選んでいくのはすごく楽しい。
そんな些細な事が楽しく思えるのも君と一緒だから。
君のその笑顔も僕と同じ理由なら嬉しいな。


必要なものを揃えて今日の主役の元へと向かう。
チャイムを鳴らして、目当ての人へと二人で声を揃えて。

「誕生日おめでとう!」


揃えた声と共に差し出したのは二人で選んだ花とケーキとプレゼント。

僕たちの家のカレンダーに随分前から印されていた赤い大きな丸印。
今日は僕たち二人にとって大事な人の誕生日。

大事な人の特別な日に二人で心を込めて祝福を!




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今日の1859第11弾


2008.11.3 1859net

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