不揃い



真っ黒なヒバリの髪の毛。きっとこの前見た烏よりも黒い。
なんて思っていると濡烏って色があった。うん。ぴったりだ。

瞳も真っ黒…かと思いきや、息が掛かり合うほど間近で見ると、虹彩の筋の一部に灰色が見える。
そして、瞳の中にヒバリを見ているオレがいる。


隼人の髪は銀色。でも白銀色って言う名前の方が似合ってる。
光を受けると透き通ってキラキラしてとっても綺麗なんだ。

緑の瞳…色んな緑が混ざり合っている。松葉色、アイビー・グリーン、ミント・グリーン、ビリジアン…挙げだすときりが無い程。
どんなに優れた画家でもこの瞳の色を表す事は出来ないんじゃないかな…。

ソファに二人で並んで一冊の本を覗き込んでいた。
色の名前と、その色の自然や生き物や鉱物の写真がたくさん載った本。
そこから二人でお互いの色を探し合っていた。


こやって改めて見ると全く違う二人。

髪の毛の色も、瞳の色も、性格だってもちろん全く違う。似たところを探す方が難しい。
行動の一番の理由だってヒバリは並盛の秩序の為。隼人は沢田の為。
違う体温。寒い日も温かいヒバリの体。寒い日は益々冷たくなる隼人の手足。

でも、それだって触れ合えば二人で同じように熱くなれる。
男同士でも、お互いを同じように好き合っているし、お互いを大事に思っている。

そうして違う色の瞳で見詰め合って、顔を寄せ合い、同時に目を閉じ、唇を触れ合わせた。

二人で一緒にいるこの時間を幸せに思った。




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今日の1859第24弾


2008.11.30 1859net

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