「なぁ、なんでファーストキスはレモン味なんだ?」
「…さぁ?」
「お前オレとした時レモンの味した?」
「…強いて言えば煙草の味だった。…君は?僕とした時、レモンの味だった?」
「いや…オレ、ファーストキスお前じゃねぇし」

そう言った途端固まったヒバリ…。 やば…オレ自分で地雷を踏んだみたいだ。

応接室のソファに寝転がるようにして雑誌を読んでいたオレ。
そろりと足を下ろし、この部屋からの脱出を試みる…が、先ほどまで固まっていたはずのヒバリが素早い動きでオレを拘束する。
再びソファの上に逆戻り、腹の上にはヒバリが馬乗りになっていた。
下から見上げたヒバリは笑って「詳しく聞かせてもうらおうかな」と言った………その笑顔が恐ろしい。

応接室から出られるのは一体何時になるんだろう…。
10代目…申し訳ありません…今日の帰りはお供出来ないみたいです。
ヒバリからのキスを受けながら10代目にテレパシーを送ってみたら、「集中しろ」とヒバリに殴られた。
電波妨害だ!…と、言ってやりたかったが、その口もヒバリに塞がれたまま…。
なので、とりあえずヒバリにテレパシーを送ってみたら、やっぱり「集中しろ」と殴られた。

三度近付いてきた唇に噛み付くようにキスをしたら、ヒバリの驚いた顔が見れて…それで少し気が晴れた。
そうして、これで誤魔化されてくれれば良いのだけど…と思ったのはもちろんヒバリには内緒だった。

1.レモン味



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2009.3.25 1859Online



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